つくば支部の例会で、盤が少しずつ動いた1局を録画から直しました
10月11日の日曜日、日本将棋連盟 つくば支部の例会にお邪魔しました。対局の横にスマホを置かせてもらって、コマドリで棋譜にできるかを試す実験です。
メールのお返事から
9月の初めに「例会で棋譜の自動記録の実験をさせてもらえませんか」とメールを送ったところ、その日のうちに支部長の仁衡さんからお返事をいただきました。コマドリも、ほかに作っているものも見てくださっていて、よいものができたら支部でも使いたい、と書いてくださいました。こういう一言は、とても励みになります。
例会と研究会のどちらでもどうぞ、とのことだったので、子どもから大人まで幅広い方が指している例会を選びました。13時からは子ども教室があるので、それが終わったあとの14時40分ごろに伺いました。
この日の例会は、いつもとは違う会場で、窓がありませんでした。仁衡さんは気にかけてくださったのですが、こちらとしては、いつもと違う明かりで試せるのはありがたいことでした。
撮った3局
- 15時07分から3分ほどの、41手の局
- 15時23分から6分ほどの、91手の局
- 15時56分から9分ほどの、63手の局
はじめの2局は、録画をサーバーに送りながら読み、止めたあとに録画をまるごと読み直して棋譜を仕上げる「竹」で記録しました。3局目は、スマホの中だけで読む「梅」です。
41手の局は、3分で41手という速い将棋でしたが、記録を止めてすぐに棋譜になりました。最後の1手にだけ「要確認」の印が付いていて、ここは録画を見て確かめるところです。63手の局は、四間飛車と居飛車の将棋で、投了まで、その場で棋譜になりました。
盤が少しずつ動いていた1局
91手の局は、記録を止めたあとに出てきた棋譜が、途中から崩れていました。手が抜けたり、取り合いの手を取り違えたりして、棋譜として成り立たないところが何か所も出ていました。
録画を見直すと、原因は盤のほうにありました。対局のあいだに、盤が少しずつ動いていたのです。机が揺れていたこともあって、2分すぎには升の3割ほど、3分半ほどからは升の半分以上、盤がずれていました。
コマドリは、記録を始めるときに盤の四隅を決めて、そこから升を割り出しています。盤のほうが動くと、アプリは升を1つずれた位置で見続けることになります。駒は正しく写っていても、どの升にあるかを取り違えてしまう。この局で起きていたのは、そういうことでした。
録画から棋譜に戻す
持ち帰ってから、録画の1コマごとに盤の四隅を測り直して、盤が動かなかったときの形に戻しました。戻した録画で読み直したあと、残りは録画のコマを見ながら1手ずつ確かめました。
終盤は、同じ升のあたりで駒を打っては取る、取り合いが長く続く将棋でした。持ち駒の数と、盤の上で動ける場所から、打った駒が何かを1つずつ決めていきました。
できあがった棋譜は91手、▲3二馬までの詰みで、先手の勝ちでした。最後の局面は、録画の最後のコマと一致しています。1か所だけ、47手目の香が成ったかどうかが手に隠れて見えず、ここは「要確認」として残しました。
分かったこと
これまで、読み違いの原因は「速い手」や「腕で駒が隠れる」ことが多かったのですが、今回は「盤そのものが動く」という、別の形でした。机の揺れや、駒を打つ手の力で、盤は少しずつ動くことがあります。
始めに決めた四隅を対局のあいだずっと使うのではなく、途中で盤の位置を合わせ直せれば、この局のかなりの部分は、その場で拾えたはずです。いま、その直し方を考えています。
そのあと
3局の棋譜は、その日の夜に仁衡さんにお送りしました。
盤が動いた91手の局は、正解の棋譜を付けて、アプリを直すたびに流し直す試験の材料に入れます。盤が動いた局に正解が付いているのは、とても助かります。
撮影を受け入れてくださったつくば支部の皆さん、ありがとうございました。
大会や将棋教室、支部の例会で「対局を棋譜に残してみたい」という方がいらっしゃいましたら、お声がけください。連絡先: nkkumaservice@gmail.com